調布東山病院の緩和ケア
心や体の辛さを和らげ、あなたらしく生ききることを支える緩和ケアとは、がんと診断された時から行われる、心や体の辛さを和らげるケアのことです。がんの治療中から、「これからどうなるんだろう」「痛みを我慢しないと治療ができないんじゃないか」「眠れない」「だるい」などと様々な辛さを抱える方がいらっしゃいます。またご家族や周囲の方も「辛そう、何とかしてあげたい」「自分も仕事があるから、どう支えていいのか・・・」と悩む方が多いです。心や体の辛さは、常にあなたの心と体を占めてしまい、自分らしさを失いかねません。治療中の辛さを和らげるよう、また、がんの治療をせずとも、辛い症状があればそれを少しでも和らげるように努めます。
生き方は人それぞれです。そして、あなたはご家族や友人などの人とのつながりがあり、あなたの生き方は周囲に影響を及ぼします。あなたらしく生ききるためには、あなたが何を大切にし、どう生きていきたいのかを、周りの方たちにも伝える・知ってもらうことが大切です。
緩和ケアでは、ACP(あなたがどんなに悩んだ時も対話の軌跡を描き、思いを分かり合っていく道のり)、倫理(あなたの人生を尊重し、最善を導き出す)との連携を大切にし、あなたの生ききることを支えます。
当院は急性期の一般病院であり、国の基準で定められた緩和ケア病棟等の設備や専従チームはありません。通院できる場合は外来で、症状緩和のために入院が必要な場合は入院で、症状が安定し在宅療養を希望される方、最期をご自宅で迎えたい方には訪問診療・訪問看護を行っています。
私たちは、地域住民の皆さまが、住み慣れた街で、親しい人々に囲まれて、最期まで自分らしく暮らし、安心して最期の時を迎えられるための地域緩和医療の実現と、それを伴に実行するための地域のよき一員でありたいと考えております。
地域での看取りを通して皆さまとともに命の大切さ、生き方を考えてまいりたいと思います。
活動内容
緩和会
2008年1月に、入院生活・在宅生活を送る患者さま・ご家族さまの心や体の辛さを少しでも和らげよう!と有志が集まり発足しました。現在はプロジェクトとして月1回活動しています。現在は医師・薬剤師・看護師がメンバーで、、多職種での勉強会やレクリエーションを行っています。
コロナ禍の影響で活動は制限しておりますが、2021年は病棟の患者さまへクリスマスコンサートを行いました。
緩和ケアラウンド
毎週木曜日14:00~、病棟を中心に医師、薬剤師、看護師が巡回します。主治医・病棟スタッフと連携を取り、患者さまの元に伺い、心や体の辛さを和らげる提案をします。
緩和ケア相談外来
第1・第3木曜日、当院受診、他院受診のがん患者さまの相談を受けております。
今の困りごと、心や体の辛い症状、これからどう過ごしたいのか等、じっくりお話を伺い、あなたらしく生ききることができるよう一緒に考えていきます。受診ご希望の方は、主治医にご相談ください。事前予約制です。
他院より受診をご希望の方は地域連携室にご予約ください。
スタッフの思い
緩和ケア(Palliative care)とは、ラテン語の“パリウム(Pallium)”に由来し、“暖かく人を包み込むマント”という意味があります。病気になって身も心も弱っている人を大切に包むように世話をし、病んで傷ついた体や孤独な心をおおうケアのことを意味しています。そんな思いを胸に地域の皆さまとともにありたいと思っています。