「ユマニチュードって何？」
このページを開き、そう思われた方々は少なくないのではないでしょうか。
ユマニチュードとはフランス発祥の“ケアを必要とするすべての人”に向けられた“人間らしさを大切にするケア”です。フランスでは40年以上の歴史がありますが、私たちが初めてユマニチュードを知ったのは2013年頃のことです。当院は、地域の皆様が住み慣れた場所で安心して医療を受け、「その人らしく」その生を全うできる、そんな地域医療に貢献したいと理念を掲げています。しかし「その人らしさ」を支える、言葉で言うほど簡単なことではありません。実際のところは、私たちは本当にその人らしさを尊重するケアを提供できているのだろうかと悩み、立ち止まる毎日です。真の意味で患者様に寄り添った「その人らしい」ケアを提供するためには何が必要なのだろうか、そのような問いの中で出会ったのがユマニチュードでした。
ユマニチュードで最初に学ぶことは「人間とは何なのか」「私たちケアする人は何をする人なのか」という哲学的な命題です。そして「あなたを大事に思っている」というメッセージを相手が理解できる形で伝え、良い関係性を結ぶことがケアをする上で最も大切なことだと教わりました。ユマニチュードの何百もの技術はそのために存在しているのです。 医療者と患者である前に、人として互いの関係性を結ぶ、その延長線上に「その人らしさ」を尊重したケアがあるのではないだろうか、ユマニチュードを学ぶことでそのように考えるようになりました。そしてそれを実現すべく、病棟、外来、在宅など場所や療養環境を問わず、ケアを必要とする全ての方々にこのケアが届くよう毎日実践に取り組んでいます。
臨床倫理、ACP、緩和ケア、認知症ケア、入退院支援、そしてユマニチュード、用いる手段が少し違えども「その人らしさ」を支えたいとする思いは皆同じです。そして、当院だけにとどまらず地域へ広まっていくことが願いです。ユマニチュードもそのひとつとして活動の場を広げていきたいと思っています。ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。