
当院は、この地域で暮らす人たちが、病気になった時にも安心して生活ができるように、その人のための医療を提供する病院です。現在の医療は高度に専門化・細分化しており、ひとつの医療機関ですべての問題を解決することが難しくなっています。私たちは、地域の医療機関や介護保険事業所などと緊密に連携・協働し、それぞれの役割を分担しながら、地域全体で医療・介護・福祉サービスを提供していきたいと考えています。
その役割分担の中で、私たちは急性期医療を提供します。急性期医療とは、病気・ケガの起こり始めの時期に診療を行って、病気の進行を止める、安定した状態に落ち着かせる、治癒に導く、などを目指す医療です。症状が強く、場合によっては生命に関わる救急患者をはじめ、若年者から高齢者まで幅広い年齢層の、さまざまな症状・疾患に対する診療を行います。診療の過程で、高度に専門的な医療を要すると判断した場合には、近隣の大学病院など高次医療機関にご紹介いたします。そして、高次医療機関での医療が終わったあとはまた当院に戻る、という連携を行っています。
このように急性期医療の使命は、病気やケガを治すことや病状を安定させることですが、私たちはそれにとどまらず、急性期医療を提供することによって、病気になっても、あるいは病気を抱えながらも、この地域で「その人らしく生きること」を実現したいと考えています。そのために、特に高齢者では入院早期からリハビリテーションを行う、退院後の生活を見据えた話し合いを始める、認知症の患者様にも適切に対応ができるような思考・技術を身につける、などの取り組みを進めています。
医療の目的は、単に病気を治すことではなく、その人の人生・生活を身体・健康面から支援することです。誰もがいつまでも、住み慣れた場所で自分らしい暮らしをおくることができるように、調布東山病院は思いやりのあるサービス・人情味のあるサービスを心がけた医療・看護・介護を提供してまいります。
調布東山病院 院長 須永 眞司