2024年度は6年に一度の医療介護報酬同時改定の年でした。2025年(団塊の世代が全員後期高齢者になる年)問題に対応できたかを総括し、2040年(後期高齢者人口増加と労働人口減少)問題に向けて、第8次医療計画の議論がなされるなか、改定は行われました。
これまでの流れと変わらずに、人々が尊厳をもって地域で生きることを支援する、医療と介護のありかたに近づけるための改定(政策誘導)だと感じました。
地域密着型病院に求められる医療の姿として、「地域包括医療病棟」があらたに示されました。これまで、東山会が創業期から目指し、成熟させてきた医療そのものであり、10月よりまずは1病棟「医療包括医療病棟」へ転換いたしました。重要視されたのは、「連携(院内外、多職種間)」。そして、医療には「生活の視点」「本人の持っている能力を医療が奪わない」が一層求められていました。
とはいえ、人口減少、高齢者人口の増加、働き手人口の減少、賃金引上げを含めた社会情勢において、医療も介護も苦しい時代におります。特に、医療機関は厳しい淘汰の時代に入ったと感じます。
私たちは、2013年より4顧客(患者・地域・仲間・経営)を意識して、未来をみてバックキャストですべきことを見定め、実践事実を積み重ねていく努力を積み重ねております。厳しい時こそチャンスである。まだまだ、やれること、すべきことはたくさんあると考えます。自分たちの生産性をあげ、品質管理、DXを根付かせてまいります。こういう時こそ、誇りをもって、求められる役割を、4顧客に対して愛をもって力を合わせてまいる所存です。
今年は、巳年です。巳は「復活と再生」「新しい自分に生まれ変わる」「幸せな未来をつかむ」という意味が込められているとのこと。その年にふさわしく、変化を果敢に起こしてまいります。
東山会は、地域密着型急性期病院と透析医療部門、予防医療部門、在宅部門の4つのドメインで「生きる=人生」に関わることを変わらず使命として進んでまいります。
1982年の創業以来、「市民のだれもが、いつでも、安心して、より高度の医療を受けられる組織をめざす」という創業時からの理念、私たちのアイディンティーを大切に、これからも我々は、地域の一員として、地域に貢献し続けてまいります。
2025年1月
医療法人社団東山会 理事長 小川 聡子