安全な医療を提供するためには、医療の質の向上を目指し、安全管理に関する体制を整備することが必要です。「人は誰でも間違える」という観点からすると、個人レベルでの事故防止対策には限界があります。このため、東山会では組織的な事故防止対策に重点をおき、特に医療従事者が職種の隔たりなくコミュニケーションをとり、真の意味でのチーム医療を実現することが事故防止につながると考えています。
誰にでも相談できる、わかるまで聞ける、丁寧に説明するといったことを、患者さまやご家族に対してだけではなく、医療従事者同士でも行うことが事故防止につながると考え、職場環境の改善に努めています。
医療安全管理委員会
委員の構成
委員長(医療安全管理者):大熊 るり(医師)
調布東山病院院長、各診療科・部門の代表者
委員会の活動状況
- 〈月1回〉医療安全コア委員会の開催(出席者:委員長、副委員長、病棟責任者、外来責任者、外来透析責任者、薬剤科長)
- 〈月1回〉医療安全管理委員会(本委員会)の開催
- 医療安全標語の策定(年4回)
直近1年分を掲載しています。
2023年12月~ 「だろう」から 「かもしれない」で 事故防止 2024年3月~ 「たぶんこう」 まず確認が 事故防止 2024年6月~ 情報は 言ったつもりじゃ 伝わらない 2024年9月~ 見たつもり 聞いたつもりで 事故つもり 2024年12月~ 「まあいいか」 違和感そのまま 事故のもと
- 医療安全推進月間(10月)
- 院内医療安全教育セミナーの開催(年2回)
- 新入職員への医療安全教育レクチャー
- 看護部医療安全委員会活動(安全レポートの共有・対策、院内ラウンド、危険予知トレーニング(KYT))
委員会内容
1. コア委員会
安全レポートの中より、重大事故に発展する可能性を有するもの、頻回に生じているものなどを抽出して、本委員会で検討する内容を少人数でディスカッションします。
ここで問題となったことを各部署に伝達し、部署では本委員会までに事例を分析して改善案を検討してもらいます。
2. 本委員会
コア委員会で議題にした事柄について各部署から報告、安全を確保するための対策を検討、決定します。決定事項は委員より各部署に伝達されます。
また医療安全に関する最近の動向や、安全情報などについても話し合います。
医療安全推進室
調布東山病院では、医療安全管理委員会の活動に加え、2016年4月に医療安全推進室を開設しました。
医療安全推進室は、医療事故の未然防止、起きてしまった事故への対応と再発防止を使命としており、職種や組織を超えて、病院全体として医療安全に取り組むための活動を行う院長直属の部署です。
具体的な活動内容は以下のとおりです。
- 法人内の医療の質および安全性の向上
- インシデント・アクシデントの収集・分析
- 医療安全に関する教育・研修の企画・運営
- 医療安全管理委員会(毎月第4火曜日)の運営
- 医療安全管理マニュアルの作成・改訂
- 院内ラウンド
調布東山病院 医療安全推進室からのお願い
~本人確認について~当院では、患者さまのご本人確認を「お名前」と「誕生日」を教えていただくという方法で行っております。検査や処置などを行う際、スタッフがお名前と誕生日を何度もうかがいます。
当院には同姓や似た名前の患者さまがたくさんいらっしゃいます。また検査や治療には、医師や、看護師等多くの医療者が関わります。万が一、間違いが起きると、大きな事故につながる可能性があります。
名前の確認は医療安全の基本です。「○○さんですか?」とこちらからうかがうと、お名前が違っていても「はい」と返事をしてしまうことがありますので、ご本人にフルネームを言っていただくのが一番確かな方法です。
また誕生日の確認は、同姓の患者さまとの取り違えや、聞き間違いを防止する目的で行っています。ご面倒をおかけいたしますが、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。