ブログ「東山だより」

ライトダウンキャンペーン

公開日 2018/06/22

昨日6月21日は二十四節気の一つ、
「夏至」でした。

昼の長さが1年で最も長くなる日で、
反対に最も短くなる「冬至」の日と比べると、
昼の時間が5時間弱も長いそうです。

「夏至祭」という行事が行われるところも
あるそうですが、夏至は冬至に比べると
あまりイベントや季節感がないような・・・
と思ったら、夏至の日にもイベントが
行われていました。

「ライトダウンキャンペーン」というのを
ご存知でしょうか。

※クリックでキャンペーンページに移動します

2003年から環境省が行っているもので、
CO2を削減して地球温暖化を防止するため、
夏至の日から七夕の日の間で行われています。

この両日、普段ライトアップしている施設や
家庭の照明を、夜8時から10時の2時間、
消していただくように呼び掛けています。

調布東山病院では実施していませんが、
昨日はスカイツリーや横浜ランドマークタワー、
また調布でもトリエ京王調布のA館・B館で
屋外看板のライトダウンが行われたそうです。

ちなみに七夕の7月7日は
「クールアース・デー」として、
地球環境の大切さを再確認する日と
されています。

トリエ京王調布でのライトダウンは
7月7日にも実施されるそうですので、
通られたら見上げてみてください。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

公開日 2018/05/01

調布東山病院で、毎週月曜日の午前に
血管外科外来を担当していただいている
佐藤紀医師が、今回も鑑賞した映画に
関する文章を寄せてくださいました。

原題はDarkest Hour。
辻一弘氏が特殊メークでアカデミー賞を
取った作品です。
しかしその割には上映館が少なく、
私は川崎まで行って見ました。
立川でもやっているようなので、
近い方はどうぞ。

まずは二つの写真を見てください。
(Focus Featuresより引用)

上が主演のゲイリー・オールドマン、
下が彼が演じるところのチャーチルです。
同一人物とは思えません。

オールドマンは、撮影のあるときには
午前2時にスタジオ入りしてメークを受け、
撮影に臨んだとの事です。

特殊メークとは「猿の惑星」や「進撃の巨人」
だけではないのですね。

さて、チャーチルの前任の英国首相
チェンバレン、外相のハリファックスは、
台頭してきたヒトラーに宥和政策をとります。

一見平和主義の様でしたが、結局ヒトラーは
Blitzkrieg(電撃作戦)で大陸欧州を席巻。
イギリス軍将兵30万人はダンケルク海岸に
追い詰められ、全滅の危機に直面します。

自信を失ったチェンバレンは辞職、
野党にも受けのよかったチャーチルに
ジョージ6世から組閣の命が下ります。
1940年5月の事でした。

チャーチルときたら朝からスコッチを飲むは、
葉巻は手放さないは、毎日昼寝するはという
人物です。

チャーチルの昼寝はうとうとするなどという
ものではなく、きちんと寝間着に着替え、
例の三角帽までかぶってしっかり寝るもの
だったようで、昼寝に差し支えると言う理由で
国王との面会時間にも注文をつけます。

チャーチルは野党には人気があったのですが、
与党には反対する者が多く、彼は与党を懐柔
するため、戦時内閣にチェンバレンと
ハリファックスを残します。

不可能と思われたダンケルクからの将兵撤退の
ために、チェンバレンとハリファックスは
イタリア首相ムッソリーニの仲介により
ヒトラーと講和を結ぼう、と主張します。

与党内からの要求も多く、徹底抗戦主義の
チャーチルも一時心が揺らぎます。

そのとき、国王ジョージ6世が彼の自宅を訪れ、
伝えます。

 「私は常に君の味方だ」

「英国王のスピーチ」(2010年)では
吃音に悩んでいた国王は、この映画では
雄弁に語りました。

その後、チャーチルは出勤途中のロールスロイス
から急に降りて、一度も乗った事のなかった
地下鉄に乗り込み、居合わせた乗客に意見を
聞きます。
(車内で葉巻を吸うのはいただけないけれども)

 「平和だが、ロンドンにハーケンクロイツ(※)
  がひるがえる奴隷の平和を取るか、
  つらく犠牲の多い戦いを戦い自由を選ぶか」

 ※「ハーケンクロイツ」:ナチスドイツのシンボル

乗客の男性、女性、それに子供までが

 「戦おう」

と唱和します。

そして、「遅かれ早かれ人は死ぬのだ」

車内でチャーチルがローマの詩人ホラティウスの
詩を暗唱しはじめると、乗り合わせていた
黒人青年がその後を続けます。

 「ならば強敵に立ち向かって死ぬ方がいい」

感動的なシーンですが、これは史実には
ないようです。
そのほかは、チャーチルのタイピストの
エリザベス・レイトンにいたるまで
実在の人物です。

そしてあの有名な名演説、

 「我々は最後まで戦い抜く。
  海で、空で、海岸で、敵の上陸地点で、
  野原で、街中で、丘で戦う。
  いかなる犠牲を払っても祖国を守り抜く。
  断じて降伏はしない」

このようにして彼は英国国民を鼓舞したのです。

ダンケルクの30万人は彼の奇策によって
救出されましたが、一方で少し南のカレーに
孤立していた4千人のイギリス兵は、
救出の時間稼ぎのためのおとりとなる任務を
命ぜられ、全滅しました。

チャーチルがカレーの部隊に送った電文は、

 「君たちは救出されない。
  繰り返す、救出されない」

この電文を口述タイプしたエリザベスは
タイプしながら涙を流します。
机の上には、ダンケルクへの撤退の際に
命を落としたエリザベスの兄の写真が・・・。
戦争は実に残酷ですね。

2000年の映画、「U-571」で
タイラー大尉が艦長に就任する条件として、
部下に死を命ずることが可能か、と
問われたことを思い出しました。

それにしても、チャーチルもヒトラーも
演説が上手ですね。
まさに、言葉は人を動かす。

いつの時代にも、ハリファックスのように
戦いを恐れるあまり、独裁者にすり寄る輩は
いるものですが(隣国にもいますね)、
それがどのような結果をもたらすか、
歴史が物語っています。

地味な映画ですが、リーダーの資質とは、
またプロパガンダとは何かと考えさせられる
映画でした。

ペンタゴン・ペーパーズ

公開日 2018/04/13

調布東山病院で毎週月曜日の午前に
血管外科外来を担当していただいている
佐藤紀医師が、今回も鑑賞した映画に
関する文章を寄せてくださいました。

時は1960年代、米国は
ベトナム戦争を戦っていました。
多くの若者がベトナムに送り込まれ、
多くの米国人、そして遙かに多くの
ベトナム人が殺されて行きました。

当時の国防長官マクナマラは戦況を分析し、
この戦いには勝利することができないと
知っていたのですが、自国のメンツを
保つためにこの分析結果を隠し、
戦力、すなわち更に多くの若者を
戦場に送っていたのです。

米国の戦略研究所のRAND corporationに
勤めるエルズバーグは、義憤に駆られて
このtop secretとされた分析書類を持ち出し、
New York Timesに提供します。

1971年、Timesはトルーマン、
アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソンの
歴代大統領が、すでに1965年には
負け戦だと分かっていたことを隠し、
無駄に若者を戦場に送っていたことを
暴露します。

このときの大統領ニクソンは、Timesを
機密保持法違反で厳罰に処すように
指示を出しました。

この頃、いまは有名なWashington Postは
家族経営の一地方新聞で、株式上場を図って
いました。
ケイ(メリル・ストリープ)は夫の死により
社主に就任したのですが、経験がなく、
全く社員に信頼されていませんでした。
おまけにまた彼女はマクナマラとも
以前から親しい関係にありました。

一方、編集長のベン(トム・ハンクス)は
Postを全国紙にしたく、機密文書の入手に努力し、
ついにペンタゴンペーパーを手に入れます。

ベンは4000頁に及ぶ機密書類の
公表を図るのですが、新聞に載せれば
機密保持法違反で逮捕され、
上場も夢と消える恐れがあり、
会社の存続も危うくなります。

会社の存続か、新聞人の使命か。
緊迫の時が流れます。
そこでケイが決断を求められます。

彼女は、訥々と、しかしはっきりと
この記事を掲載するように指示を出します。

裁判所のシーン。

裁判所から出てきたケイの周りを
大勢の女性が取り囲みます。
声には出しませんが、彼女らの夫や恋人、
兄弟はベトナムに送られているのです。

そしてついに最高裁の判決が出ます。
最高裁判事の一人、ブラック判事は
こう述べました。

「報道機関は国民に仕えるものであり、
 政府や政治家に仕えるものではない」

「制限を受けない自由な報道のみが、
 政府の偽りを効果的に暴くことができる」

この事件をきっかけにPostは
米国を代表する全国紙となりました。

Times、Post勝訴判決の根拠となった
合衆国憲法修正第一条は、次のように
述べています。

「連邦議会は、国教を樹立し、若しくは
 信教上の自由な行為を禁止する法律を
 制定してはならない。また、言論若しくは
 出版の自由、又は人民が平穏に集会し、
 また苦痛の救済を求めるため政府に請願する
 権利を侵す法律を制定してはならない。」

(ちなみに合衆国憲法は7条しかないのですが、
 修正は27条もあります。なお武器の保有の
 権利を定めた悪名高い条文は修正2条です。)

激怒したニクソンはPostの記者を
ホワイトハウスに入れては行けないと
指示を出します。
どこかの国でも似たようなことがありましたね。

映画はニクソンの命を受けた者たちが
ウォーターゲートビルで警備員に発見される
シーンで終わります。

1973年にニクソンは辞職に追い込まれました。

スピルバーグ監督は、この作品を
1年という短期間で作り上げました。
彼を駆り立てたのは、もちろん、
批判的なマスコミをfake newsだと
攻撃してやまないトランプ大統領の登場で
あったことは論を待ちません。

権力者にこびを売り、その意向を忖度し、
改竄、偽証まで行う、我が国の官僚や、
意に沿わない新聞社を執拗に攻撃する首相など、
涙が出るくらい悲しくなります。

当院でロケを行ったTVドラマが放送されます

公開日 2018/03/02

少し前ですが、1月の土曜日の早朝、
調布東山病院でTVドラマの撮影が
行われました。

放送予定がわかりましたので、
ご紹介させていただきます。

【放送日時】
 3/25(日)21:00~
 テレビ朝日系列

 アガサ・クリスティ2夜連続ドラマスペシャル
 『大女優殺人事件 ~鏡は横にひび割れて~ 』
 (公式サイトはこちら
  ※別画面が開きます。

ドラマの中で、当院は違う名前の
クリニックとして登場するそうです。
(外観のみ)

同じドラマでは、市内の他の場所でも
ロケが行われていました。

それぞれ映るのは一瞬かもしれませんが、
探してみてください。

仲良き事は美しき哉

公開日 2018/02/01

2018年、早くも2月に入りました。

この時期、地域で毎年話題に上るのが
武者小路実篤氏です。

武者小路実篤氏(1885-1976)は
晩年の約20年を調布市で過ごしました。

没後はご自宅が武者小路実篤記念館として
公開されています。

記念館では、毎年1月末から限定で
チョコレートを発売しています。

小説家、詩人である武者小路実篤氏は、
写真のように野菜の絵とともに
「仲良き事は美しき哉」
と色紙に書いていらしたとか。

まもなくバレンタインデー。

温かい挿絵や言葉に引き寄せられ、
日頃の感謝や愛情を込めて、
こちらのチョコレートを贈る方が
多いようです。

雪のあと

公開日 2018/01/23

1月22日月曜日は、天気予報通りの
大雪になりました。

主要ターミナル駅は身動きが取れないほどの
混雑で、入場制限も実施されていました。

早めに帰路についた人も、帰宅までには
かなり時間がかかったようです。

未明に雪は止みましたが、翌朝は真っ白。

足元が心配でしたが、
まだ暗いうちから雪かきをしてくださる
調布市消防団の方々が!

駅から病院までの道が作られていて
感謝しつつ出勤。

当院でも、患者さまやお見舞いの方々が
安全にご来院できますよう
夕方から、そして今朝も雪かきをしました。

慣れない雪かきでしたが、
引き上げてくる職員は皆良い表情。

感謝の言葉に、照れた笑顔で返していました。

ビワ(枇杷)

公開日 2017/12/21

梅雨が明けて初夏に見かけるビワの実。

楽器の琵琶の形の実をつけることから
“ビワ”と名付けられるようになったとか。

四国、九州の石灰岩地帯に自生します。

ビワの花期は寒さを感じるようになる
11月から12月。
白い5弁の花で芳香があります。

若枝、葉裏、花軸、花柄、がくには
細かい毛が密生しています。

そして初夏に、球形から卵形をした
黄橙色の実をつけます。

(文・写真:山田 隆)

第1回 調布医学会

公開日 2017/10/19

10月15日の日曜日、
調布市医師会の主催で
「調布医学会」が開催されました。

医師のみが参加する学会ではなく、
歯科医師・薬剤師・看護師など
多職種の方々にご参加いただき、
調布の医療についての情報交換と、
将来への展望を話し合う機会になればと
いうことで、初めて開催されました。

午前の部は一般市民の方を対象とした
市民医学講座です。

まずは、
国立長寿医療研究センター名誉総長であり、
名古屋大学名誉教授の大島伸一先生により、
「地域が変わる、医療が変わる」と題した
特別講演がありました。

そのあと、調布市民の皆さまに向けて、
「在宅医療とは」
「調布市の在宅医療の現状は」
について知っていただくための
シンポジウムが行われました。

当院の中村ゆかり医師が
シンポジストとして参加、
“病院の立場から:病院の訪問診療”
についてお話させていただきました。

午後の部は医師や医療従事者対象の
学術集会です。

テーマは以下の5つです。
 1.地域医療
 2.乳幼児保健
 3.学校保健
 4.臨床報告(1)
 5.臨床報告(2)

当院の職員も演題発表を行いました。

1の地域医療では放射線科の小林乃梨技師が、
 “マンモグラフィ検診における
  技師読影開始に向けての取り組み報告”

4の臨床報告(1)」では内科の村岡和彦医師が、
 “透析を含む集中治療にて救命可能であった
  末期腎不全の若年男性”

調布市医師会長の佐々木先生は、
「地域の医師同士が顔を合わせることで
地域医療連携の促進につながると思います。」
とおっしゃっています。

継続して積極的に参加していきたいと思います。

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