2016年10月23日(日)、
桜ヶ丘東山クリニックでは
毎年恒例の患者さま勉強会を行いました。
今年度のテーマは
「カルシウム・リンのコントロール」と、
ベッドサイドでの簡単な運動、
そして患者参加型の避難訓練を行いました。
貴重な休日の開催にもかかわらず、
25名の患者様とご家族の方にご参加頂きました。
勉強会では片岡医師より、
透析患者様にとってなぜカルシウムと
リンのコントロールが大切なのか、
わかりやすく楽しい講義がありました。
定期的に行う採血でリンの数値が高い時、
日頃から食事や内服に気を使っている患者様に、
さらに食事内容や服薬状況を細かく確認するのは
心苦しく感じることも多いのですが、
勉強会後に実施したアンケートでは
「今までリン、リンと言われてきたが、
説明を聞き多少その意味がわかった」
「患者もたくさん勉強して、病気のことを
知っていかなければいけないと思った」
という声をいただくことができました。
ベッドサイドでの簡単な運動では、
ラジオ体操と1分片足立ちを行いました。
ラジオ体操もしっかり行うとなかなかいい運動で、
今後のためにも体を動かすようにしたい、といった
声や笑顔も見られました。
今回の勉強会が日常生活に簡単な運動を取り入れる
きっかけになればと思います。
そして最後に、『透析中に大きな地震が起きた』
という想定での避難訓練を行いました。
患者様には、実際に手に疑似透析ルートを付けた
状態でベッドに寝て頂き、スタッフも
「災害時アクションカード」を首から下げて、
それぞれの役割に応じた動きを実践しました。
緊急地震速報のデモ音を流し、
地震により停電した想定で照明が消えた透析室は
昼間でも暗くて少し怖い雰囲気となり、
実際に患者様からも「怖い」という声が聞かれました。
確かに、もし抜けてしまえば大出血に繋がる
透析ルートが入っていて、自由に身動きができない
状況での大きな地震は、患者さまにとって
大変な恐怖であるということをあらためて
実感しました。
その後は避難が必要という想定でしたので、
スタッフは順番に患者さまのもとに向かい、
バッテリーで動く透析モニターの明かりを頼りに
返血・抜針操作を行いました。
そして実際に避難口から外へ出るところまで行い、
最終的には全員が透析室の外に避難しました。
薄暗い透析室から、無事返血操作を終えて
避難してきた患者さまの笑顔が印象的でした。
実施後のアンケートでは、
「実際の行動がわかった」
「定期的にやって欲しい」
「患者・スタッフともに訓練になり、
本当に地震が来たときに役立つ」
という声や、
「避難の順番を待つ間が不安だと思うので、
全体の進行状況についてのアナウンスが
あるといい」
といった意見も聞かれました。
これまでも、避難ルートの確認などの訓練は
行ってきましたが、「透析中の震災」という
想定での訓練は患者さま・スタッフ共に初めてで、
お互いにどう動いていくのか、今回の訓練を通して
イメージできたことは大変よかったと思います。
患者さまのご意見も今後に活かしながら、
こうした訓練を繰り返し行って実際の災害に
備えていきたいと思います。