当院1階の外来の一角に、
このような椅子のある部屋があるのをご存知でしょうか?

エステ・・・・ではなく、フットケアのお部屋です。

当院外来では、糖尿病で通院されている患者様を対象に、
足壊疽などの合併症を予防する目的で
フットケアを行っています(予約制です)。

「フットケア」といっても
具体的にどんなことをしているのか
ご存じでない方も多いと思いますので、
簡単にご紹介したいと思います。

糖尿病の方は、健康な人に比べて
血糖が高いことにより傷が治りにくく、
感染に弱いことが知られています。

そのため、ちょっとした怪我や巻爪、水虫、熱傷などが
きっかけとなり、適切な対処を行わないと、
足壊疽(足が腐ってしまうこと)になり、
切断に至る危険性があります。

何か足にトラブルが発生しても、早期発見、早期治療を行えば、
大事にいたらずに済むことが多いのですが、
患者さん自身にその知識がなかったり、
足のケアが自分で適切に行えない場合もあります。

そういった患者さんに対し、フットケアの指導を行ったり、
必要に応じてケア(足の観察、足浴、爪切り、胼胝(‘たこ’)削りなど)
を行っています。

フットケアを行う対象となっているのは、
以下のいずれかに当てはまる方です。

●足潰瘍・足趾、下肢切断の既往がある方
●閉塞性動脈硬化症の方
●糖尿病性神経障害のある方

また、フットケアを行うには医師の指示が必要です。

フットケアに通われている患者さんの中には、
毎月のフットケアを楽しみにしてくださっている方もいます。
 「以前は、自分の汚い足が嫌いだったの。
  でも、看護師さんにきれいにしてもらって、
  自分の足を大切にしなくちゃと思うようになった。
  今日も、きれいに洗ってきたのよ。」
と、おっしゃってくださると私たちの喜びもひとしおです。

足を守るためには、フットケアも大切ですが、
同じくらい大切なのは血糖コントロールを良好に保つことです。

せっかく足に気を付けていても、血糖コントロールが悪いままでは
合併症を防ぐことができません。

患者さんと向きあって、「今この患者さんにどんな援助が必要か?」
ということを常に考えながら、ケアを行っています。