「コメディカルだより」始まります!

コメディカルとは、医師を除く医療従事者の総称ですが、当院のコメディカル部門というと、放射線科・検査科・薬剤科・臨床工学科・リハビリ科・栄養科の6つの科からなる「総合医療技術部」のことを指します。

総合医療技術部には8種の資格職が集まっています。これからの超高齢社会において、私たちコメディカルは多職種で連携して患者さんに関わっていく必要があります高齢になるほど複合的な病態となり、複数の専門職が関わるからです。

この連載を通して、当院で働くコメディカルそれぞれの資格にドラマがあることを知っていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。(文: 総合医療技術部 竹内部長)

 

 

記念すべき第1回は「理学療法士」。
再び「その人らしく生きる」ことを目指すリハビリテーション。それをおこなう理学療法士のお仕事を紹介します。

(お話を聞いた人:総合医療技術部 竹内部長)

 

 

 

理学療法士とは?

理学療法士(PT:フィジカルセラピスト)は、リハビリで「起きる」「立つ」「歩く」などの日常生活で基本となる動作の改善を目指す専門家です。

 

リハビリの専門職は理学療法士のほかに、食事・着替えなどの生活に欠かせない行為の訓練などをおこなう作業療法士、コミュニケーション、摂食・嚥下の訓練をする言語聴覚士があります。

その中でも理学療法士は一番体育会系かもしれません(笑)。学生時代、スポーツをしてケガをした際にリハビリを受けたから理学療法士になりたいという人も多いですね。

 

目指した理由

大学卒業後、私は別の仕事をした後に主婦をしていたのですが、一生の仕事にできる資格をとりたいと考えるようになりました。そんな私に、臨床心理士の姉が「理学療法士」という資格を教えてくれました。

学生演劇をしていたので人の動作・動きのメカニズムに興味があったこと、直接ありがとうと言ってもらえる職に就きたいと思っていたので、理学療法士になることを決めました。

 

専門学校時代

4年間、とにかくたくさん勉強しました。夕方授業が終わってから午後9時まで勉強。私は年齢的にも猶予がなかったので(入学時27歳)、必死でした。家族のサポートのおかげで数々の実習もクリアし、めでたく国家試験に合格することができました。

 

やりがいを感じるとき

退院した患者さんが、リハビリ室に顔を出してくださったときです。
入院していたときは車いすだった方が、杖をついてご自身の足で歩いてリハビリ室に入ってくる場面は、何度経験しても感動します。患者さんの表情は「私がリハビリで頑張ったのよ」という誇らしささえ浮かんでいます。

 

苦労したことや大変なこと

リハビリを受ける患者さんは、脳卒中で麻痺が残ったり言葉が出なくなったりする方がいらっしゃいます。今までの生活とは違った状況に気持ちがついていかず、リハビリを拒否されることも少なくありません。

理学療法士になったばかりのころは、そのような患者さんに心を開いてもらう、モチベーションを上げてもらうことに難しさを感じていました。その時は、焦らず、自分の悩みや嬉しかったことなどを話して徐々に心を開いてもらうことを意識していました。

「その人に寄り添う」ことは自分の心も使う大変なことだと実感しました。

 

病院以外の活躍の場

理学療法士は運動生理学や動作分析といった専門性を活かし、様々な場所で活躍しています。

専門学校時代の友人には、介護施設や訪問リハビリはもちろん、スポーツをする子どもたちの基礎的身体能力をつける運動教室、産後ケアなどのウィメンズヘルスクリニックで働いている人たちがいます。

 

当院での1日

  • 出勤
  • 受け持ちの患者さんのカルテを確認(熱を出してないか、転んでないかなど)し、リハビリ内容を検討(1日約9名を担当)

理学療法士の仕事は、その人の状況・状態に合わせたオリジナルのプログラムを作るクリエイティブな仕事です!

  • 朝礼・申し送り・スケジュールの確認
  • 午前の訓練
  • 昼休み

  • 午後の訓練・カンファレンス
  • リハビリ室の清掃
  • 終礼(困ってることや相談したいことはここで共有し、みんなで検討する場となっています)

 

家屋調査にも行きます!
退院後の在宅生活に向けて、患者さんのご自宅を訪問することがあります。手すりの位置や段差解消法などを検討します。

 

これからの理学療法士に求められること

地域や家庭で長く元気に暮らせるための介護予防に関する情報提供や運動指導、通いの場のサポートなど、地域活動が求められていくと思います。働き手が少なくなる将来に備え、理学療法士が直接関わるだけでなく、住民同士で健康意識を高める啓発活動が重要だと考えます。

理学療法士を目指している方へ

私は理学療法士になって本当に良かったと思っています。すごくやりがいのある、社会に求められている職だと感じています。
まだまだ可能性のある資格なので、これからの世の中で理学療法士がどのように貢献できるのかを一緒に考えていきましょう。

 

コメディカルだより、初回はいかがでしたでしょうか。ぜひ、ご感想等お聞かせください。

ご感想等、こちらから

 

(広報誌「東山だより Vol.47」(2023.5)より)

 

 

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