今回は介護タクシーについてお話ししたいと思います。当院への通院で利用されている患者さまも多いため、車いすやストレッチャーが入る大きめな車を皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか。

 

東山会は、一般急性期病院、人工透析、予防医療、在宅医療・介護の4つのドメインでサービスを提供しています。

調布東山病院:一般急性期病院、透析センター、ドック・健診センター、在宅センター

桜ヶ丘東山クリニック:人工透析専門クリニック

喜多見東山クリニック:人工透析専門クリニック

 

「介護タクシー」という名前から、介護保険の自己負担分1割〜3割で利用できると思われがちですが、移送費には介護保険が適用されません。

介護タクシーには明確な定義がないようですが、分類としては
①自費で利用するもの
②役所からの助成を受けて運用する「福祉タクシー」
③介護保険サービスの一部としての「介護保険タクシー」
の3つに分かれます(下表参照)。

右記以外のタクシー(自費利用)

福祉タクシー

介護保険タクシー

特徴

  • 乗降介助に介護保険が適用されない(自費サービス)
  • メーター料金の他に ①予約料 ②迎車料 ③乗降介助料 ④機器(車いす等)使用料金が発生
  • 自治体からの助成を受け、左記①③④が無料になり、メーター料金、迎車料金、待ち時間料金、ストレッチャー使用料、階段昇降の用具使用料で利用が可能

調布市の指定を受けている業者限定

  • 訪問介護の一環としてタクシー会社が介護保険の中で実施する移送サービス
  • 利用にはケアマネジャーによるケアプラン作成が必要
  • 利用目的が通院等に限定される

対象

  • どなたでも利用可能
  • 介護保険が適用されない病院間の移動時等
  • 調布市在住の方(自治体によって助成の有無は異なります)
  • 身体障害者手帳(下肢、体幹機能障害)をお持ちの方や介護保険要介護4または5の方で、常時寝たきりの状態にある65歳以上の方
  • 市役所へ申請し、利用登録証をお持ちの方
  • 移動に一定以上の介助が必要(要介護1以上)な方
  • 自宅で生活されている方

費用

約¥2,800~

¥750~

約¥900~

利用方法

要予約

要予約

ケアマネジャーへ利用について相談

公共の助成制度の利用

  • 障害者手帳の提示でメーター料金1割引き(精神障害者保健福祉手帳に関しては、ご利用時乗務員の方へご確認ください)
  • 福祉タクシー券の利用(協定事業者以外は使用できないため、事前に確認が必要です)

 

介護保険で介護タクシーを利用する場合は訪問介護の扱いとなり、ケアマネジャーによるケアプラン作成が必要になります。介護保険タクシーでは乗降介助に介護保険が適用されるため、移動に介助が必要な方で定期的に通院等の外出をされる方は移送費用を軽減することができます。ご利用を検討される際はケアマネジャーさんにご相談ください。

 

また、調布市には「車いす福祉タクシー」という事業があります。タクシー利用者の負担軽減のため市が助成金を出し、市が委託した指定業者でタクシーを予約した場合、予約料や車いす・ストレッチャーの利用料が無料になります。実質メーター料金のみで利用することができるため、調布市にお住まいの方はぜひご活用ください。

 

ご不明な点やご不安ごとがありましたら、医療ソーシャルワーカーまでご相談ください。

 

 

(医療ソーシャルワーカー)

「広報誌 東山だより(2019.2)」より改訂・転載