暑気払い

イラスト:続木寿子

二十四節期の小暑から大暑の間を暑中といいます。

「暑気払い」とは文字通り「暑さをうち払う」ため、
カラダに溜まった熱気を取り除いて
元気に暑い夏を乗り切ろうというものです。

ビアガーデンなどで、またバーベキューで
暑気払いをなさる方々も多いのではないでしょうか。

暑気払いは昔から行われており、
冷たい食べ物やお酒を口にしたり、
薬湯に入る以外にも行水や川遊びをするなど、
皆で楽しむイベント的な要素もあります。

平安時代にも既に暑気払いをしていたようです。
清少納言の枕草子の「あてなるもの(上品なもの)」の段に
「削り氷にあまづら入れて、
 新しき金鋺(かなまり)にいれたる」
とあります。

甘いシロップをかけたカキ氷を口にして
涼を取ることは、今も昔も変わりません。

暑気払いにぴったりな食べ物のひとつが
瓜だそうです。
胡瓜(きゅうり)、苦瓜(にがうり、ゴーヤ)、
冬瓜(とうがん)、南瓜(かぼちゃ)、西瓜(すいか)
は夏が旬の食べ物で、体力が衰えがちな夏に効果的です。

特に胡瓜や西瓜は体の熱を下げて、
体の余分な水分を出してくれます。

他にも、甘酒はブドウ糖やオリゴ糖、アミノ酸、
ビタミンを含むノンアルコールの飲み物で、
栄養があるだけでなく、腸内環境を整える働きもあります。

甘酒と言えば冬に飲む印象がありますが、
甘酒は夏の季語。
江戸時代には、冷たく冷やした甘酒を売り歩く
「甘酒売り」の声が街に響き渡っていたとか。

暑さはこれからが本番です。
夏風邪など召されませぬようご自愛くださいませ。