認知症になっても安心して暮らせる街づくりを目指して、調布市や地域包括支援センターが中心となり、見守り声かけ訓練を行っています。
実行委員会のメンバーとして調布東山病院も参加しました。

 

まずは当院ユマニチュード推進室の看護師によるお話しです。街で困っていそうな認知症の方に声をかける時に意識してほしいポイントをお伝えしました。
ユマニチュードの4つの柱のうち「見る」「話す」「触れる」技術を使います。

 

「見る」
認知症の方は視野が狭くなっていることが多く、正面から声をかけるのがポイント。参加者みなさんで手メガネをして擬似体験しました。
横から声をかけられても気づかない、急に現れたように感じてびっくりするのも納得です。

 

体験用のメガネもあります

 

「話す」では、言葉や情報を認識するのに時間がかかるため、ゆっくり・穏やかに・抑揚をつけて話しかけます。
聴こえないのかなと思うと、一文字ずつ区切って大きな声で話しがちですが、それでは余計に伝わらなくなってしまいます。

「触れる」は、赤ちゃんを抱くように大きな面で触れることで、怖い印象を与えずに手を取ったり支えることができます。

 

ひと通りの講義・質疑応答が終わると、外に出て認知症役のスタッフに実際に声をかける練習をしました。

 

30分ほどで会場に戻り、グループごとに振り返りました。

「最初に受けた講義の内容を意識しながらできた」「選択肢を奪わない声かけをしていたのがよかった」「続けてやりたい」「周りの人にもこのような訓練があることを話したい」など、とても前向きな声が聞かれました。少しでもこのような輪が広がって、やさしい街になればいいなと願っています。